バックオフィスの仕事とは
バックオフィスという仕事は、直接お客様との接点としてサービス提供を行うフロント業務に対し、フロント業務（対外的な交渉などが伴う業務）が主ではない、つまり社内における管理業務や事務業務といった後方業務を行うことを言います。
仕事内容は非常に幅広い業務となり、具体的には事務・経理・財務管理・法務・アナリスト・リサーチャーなど外部と接点のない職種となります。銀行では口座の開設や決済事務などのほか、データ入力や資料作成、電話応対などがあり、コンサルタントや営業といった対外的な仕事はフロント業務に属します。
外資系金融機関について
外資系金融機関と聞くと、金融不安の煽りを受け、ポジティブな環境でないイメージがあるかもしれません。事実、日本国内の外資系金融機関を見ると、経営をスリム化して足元を固める動きへシフトしてきています。その為、雇用に関しても、正社員からフットワークの軽い派遣の活用へと移っています。このことは外資系金融機関で働きたい人にはチャンスだと考えられ、グローバルなビジネスセンスを磨くのに最適なフィールドである外資系金融機関で働くことで、将来につながるスキルを飛躍的に高められる可能性が大きくなると期待されています。
また派遣以外でも道はあり、外資系金融機関は、給与に関して本国の承認が必要となる為、承認の必要のない契約社員という雇用形態での採用も多々あります。また、リスク回避の為に社員に契約更新を設けている企業も多く存在しますが、更新し続けて長期で勤務されている方も大勢いらっしゃいますので、まずはチャレンジしてみるのもいいでしょう。
転職について
バックオフィスの転職についてですが、営業職などに比べると横ばい状態で落ち着いている反面、求職者は増加している為、企業の採用条件はやや厳しくなっています。転職においては豊富な業界経験や高い業界知識・コミュニケーション能力など有能な人材が求められる傾向にあります。その為、やはり求められるのは実務経験となります。未経験での採用は少数で、そのケースでも何らかの業務経験を通して、一定の業界知識が求められることがほとんどです。
そこでバックオフィスの転職に有利な資格をご紹介しておきましょう。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOUS)・パソコン検定・ワープロ実務検定・銀行業務検定試験・簿記検定（日商）・簿記能力検定試験（全経）・簿記実務検定・FP技能士（フィナンシャル・プランニング技能士）などがあります。どのような業務を希望するのか、何に強みを置くのか、希望する企業があるのであれば事前にリサーチしてどんな資格が必要か、などを踏まえた上で資格を取るといいのではないでしょうか。
派遣も需要は年々増加しておりますが、一度経験を積めば仕事の幅が広がる為、人気があり求職者の多い職種になります。専用端末の利用が中心となる為、当然経験者が求められます。しかし、未経験でも可能性はあり、バックオフィスの通常の事務業務からスタートして経験を積むことをお勧めします。
また、外資系で働く場合、語学力が求められることが多々あります。逆に言えば、語学力がある程度備わっていれば外資系銀行での活躍の場が広がり、実際に仕事を通して語学や専門の知識、ＰＣスキルなどいろいろな面でのスキルアップが望めます。ただし、あらゆる分野で活発な動きを見せている外資系金融機関は今が狙い時だと言えます。急成長と共に人材ニーズも増えており、経験者だけではなく未経験者も積極的に採用する活動を見せています。入社のハードルが高いイメージですが、最近は語学力が必須でない求人も増え、興味を持つ方にチャンスが巡っています。
是非活用していただきたいのが、アデコ（http://haken.adecco.co.jp/）です。アデコは外資系金融業界向けの人材サービスに特化したチームとしての歴史を持ち熟知している為、適切なアドバイスをもらえるかと思います。是非一度足を運んでみてください。
キャリアアップ
銀行のバックオフィスのキャリアアップとしては、それぞれの分野でのものとなります。具体的には、その業務のチームリーダーとなり、その後いくつかのチームをまとめるマネージャーとして業務効率を高めていき、それと共に地位を高めていく、というのが一般的のようです。
給与に関しては、都内のバックオフィスの派遣の時給は1600円以上が相場のようで、平均年収は25~29歳で434万円（max:832万円）、30~34歳で543万円(max:1120万円)、34~39歳で702万円(max:1400万円)となります。金融業界は給与水準が高い業界の為、それに比例して事務職にしては年収が高くなります。その分、採用の際には経験を吟味されるということです。
キャリアアップを望む場合、ボーッと日々の業務をひたすらこなせば自然とキャリアアップできるような時代ではありません。金融業界は専門知識が必要になってくるからこそ、その知識や経験が大きな財産となります。基礎からひとつずつしっかりと身に付ければキャリアアップ転職も可能性大ですし、以前はキャリアアップしづらいと思われていたバックオフィス業務も、業務改善や新人教育など日々の頑張りをきちんと評価する企業も多くなってきたと言います。
ケース
実際に転職された方の事例を見ていきましょう。Ａ子さんは大学卒業後、３年間銀行の支店窓口業務を担当後、他業界で事務を２年近く経験しました。しかし、やはり銀行で働きたい、しかもバックオフィスで働きたいという気持ちが強く銀行への転職を決意。Ａ子さんはフロント業務のみでバックオフィス経験がない上、業界を離れていた期間があり、転職は困難を極めました。しかし、無事成功し、今でも活躍されています。その要因は、フロント業務において営業経験があったこと・向上心が高く、知識をつけようという意欲が大きかったこと・コミュニケーション力が高く、人柄の良さをアピールできたこと、です。その他にも面接に向けて手厚い準備をしたそうです。本気で頑張りたいのであれば、自己分析をし、業界研究をし、そして面接に向かう相手の情報をより掴むことが重要になります。
Ａ子さんの場合は本当の意味での未経験ではありませんが、バックオフィスの業務未経験で、さらには金融業界からも離れていた状態でしたが、やはりちょっとした経験や業界知識でも専門性が高い業界な分、きちんと評価して採用してくれることがわかりました。また、Ａ子さんはその経験のみが要因ではなく、人間性も評価されての採用です。未経験だから、知識ないから、とネガティブな気持ちでいるうちはきっと転職は難しいでしょう。やってやるんだ、やる気は誰よりあるんだ、という気持ちを持った上で、相手を知ることが非常に重要になるのではないでしょうか。
